安藤裕子の2ndミニアルバム『and do,record.』。このCDのリード曲でもある「ドラマチックレコード」を聴いたのが、安藤さんの歌声にハマるきっかけとなりました。この曲はピアノとストリングスの音がお洒落で、どこか気持ちをワクワクさせてくれるような高揚感と、どこかやるせない脱力感が、複雑に絡み合ったような印象の残る楽曲です。
この曲が気になったきっかけとしては、『スペースシャワーTV』のPOWER PUSH(2004年1月度)になったこともあり、テレビで目にする機会が多かったのと、個人的に大好きな宮川弾さん(ex.ラヴ・タンバリンズ)が、作曲を手掛けていたという理由が決め手になりました。
そして自分は擦り切れるという表現が当てはまるほど、このCDを繰り返し聴いたのですが、また新たな事実を一つ発見してしまいました。当初はそこまで意識していなかったのですが、ライナー等を見ているうちに、この作品にバックで参加しているミュージシャン勢の凄さに脱帽させられたのです。先に挙げた宮川弾さんは勿論のこと、カーネーション、東京スカパラダイスオーケストラ、GREAT3と言った名だたるバンドメンバー。
そして今注目のBAZRAというロックバンドも参加しています。実はつい最近まで、BAZRAというバンドの存在は知りませんでした。数日前のことになります。目をこれでもかというくらいに見開いて、ドスの効いたデスボイスで歌ってるロックバンドをたまたまテレビで見かけたのですが、偶然にもそれがこのBAZRAだったわけです。彼らは椎名林檎さんとセッションした過去もあるらしくて、このアルバムに収録されている「雨月」だけを聴くと、椎名林檎サウンドのような印象を受けますし、演奏におけるインパクトが強いバンドなのかもしれません。
安藤裕子さんは多才で、自身で作詞&作曲をこなすだけではなく、ミュージックビデオのディレクション&監督を自分で手掛けたり、CDジャケットを自らデザインするようなマルチアーティストです。才能が溢れる故に、誰とコラボレーションしたとしても、相手の世界観ですら自分のものにしてしまう器の大きさを感じさせてくれる存在だと思いました。
本人曰く、楽器を弾くのだけはあまり得意ではないそうですが、欠点を克服する為に密かにギターを猛練習中だとか。たまたまテレビの生放送番組で、ギターの演奏を披露している姿を拝見したことがありますが、謙遜気味の本人はよそに、流石はプロだなという演奏に感じられました。今後、プレイヤーとしての自信が芽生えれば、完全無欠で手が付けられない存在になりそうです。これだけ豊かな才能に恵まれながら容姿端麗、知名度が増せば、今後人気が伸びるのは間違いないでしょう。大塚愛の影に隠れたエイベックスのダークホース的な存在だと思うので、今後に注目してみてください。
※2005年07月02日(土)公開の記事に、加筆修正致しました。
ボーカル:16
メロディ:19
歌詞:16
アレンジ:19
個性:18
TOTAL:88