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より子。「ほんとはね。」
作詞&作曲&編曲:より子。

より子。は、2歳の頃、卵巣癌を発症し、右卵巣を全切除。幼少期、闘病生活を送る中で、次第にピアノに惹かれていき、音楽に目覚めました。元モーニング娘。福田明日香と中学の同級生だった彼女ですが、より子。の歌声に福田が感動したことがきっかけで、福田の当時のマネージャーだった、和田薫氏(芸能事務所ハーモニープロモーションの代表取締役社長兼マネージャー)を紹介します。より子。の才能を見抜いた和田氏の推薦もあり、それをきっかけに本格的な音楽活動を開始。2000年に『オールナイトニッポンR』へのゲスト出演、2001年04月から本格的な楽曲制作、2001年09月には、タワーレコード渋谷店で、自主制作盤を配布、11月に発売。そして2002年03月にインディーズデビューアルバムを発売しました。

彼女の魅力。それは歌詞のリアルさと、天使の歌声と絶賛された伸びと迫力のあるボーカル。生命を燃やすような、優しくもあり、力強くもあるピアノの旋律、これらが重なって、激しくも透明感のある世界を表現している点。それもそのはず、より子。さんは、自ら幼少期に癌を患い、彼女の人生の原点に死と向き合った経験があります。それに加えて、同じ癌病棟で亡くなっていく仲間の死を、幾度となく見送ってきました。だからこそ説得力が生まれるわけです。まるで命を燃やしながら、全力で音楽活動をしているような印象でした。

自分がより子。さんを知ったきっかけは、お台場にあるZepp TOKYOで行われた、『GIRL POP FACTORY 02』というライブイベントでした。このイベントに出演されていたより子。さん。予備知識もないままに、その場で初めて聴くことになったのですが、初聴きでありながら曲に酔いしれました。(ライブの中では、B’zのヒット曲「ねがい」もカバーされていたのですが、本人のイメージとはギャップが大きく、逆に新鮮に感じました。)

その後、フジテレビで2002年08月09日に、特番ドラマ『天使の歌声〜小児病棟の奇跡〜』が放送されます。このドラマは彼女の幼少期の闘病体験がモデルになり、更に主題歌を担当したことで、知名度が全国区に。松浦亜弥が主演したこのドラマは、19.1%の高視聴率を記録して、社会現象にもなりました。(これをきっかけに、彼女はCDがヒットすることになります。オリコン週間アルバムチャート最高位26位、インディーズでありながら、8万枚以上を売り上げました。)

16歳の時に、シンガーソングライターとしてデビューした彼女は、オールナイトニッポンのパーソナリティーを務め、21歳でメジャーデビュー。22歳の時に卵巣腫瘍が見つかり、一時活動休止。2度の闘病をきっかけに、改めて自ら生きる意味、命の輝き、使命を見つめなおし、「今日まで自分の為に歌ってきたけれど、これからは人の為に歌っていこう」と、心に大きな変化が起こったそうです。そして2021年現在も、アーティスト活動は継続中です。

ほんとはね ずっと好きだったよ
だけど ただ遠くから見ているだけで さよなら

「ほんとはね。」は、別れを歌った楽曲。力強い生命を感じるボーカル。これ以上になく、ピアノの音が響いてきます。『最後』というものを連想しながら聴いていると、泣きたい気持ちになります。言葉がリアルに突き刺ささってくるので、色々と考えさせられますね。ピアノロック系が好きな方には、お薦めのアーティストです。

※2002年08月17日(土)公開の記事に、加筆修正致しました。

【レーダーチャート】

ボーカル:18
メロディ:18
歌詞:18
アレンジ:18
個性:19

TOTAL:91

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