名曲シリーズ #014【Atelier LadyBird feat.優莉「バルーン」(2016)】某YouTuberがテーマ曲として使ったことが出会いのきっかけでした

時代と共に、音楽の聴き方も変わっていくものである。そんな風に感じさせられた一曲です。YouTubeがここまで大きな存在になってしまうと、観る機会も増えましたし、やはり気になるのはBGM。最近、ハマっているのは、生き物系YouTuberのおーちゃんさん。ゴキブリやスズメバチを使った実験を行ったり、ハリガネムシを食べてみたり、サキシマカナヘビのアムール高橋さんを可愛がってみたり、最近だとスーパーで買った生きたクルマエビを食べずに飼育するなど、それはもう奇想天外な発想から生き物と向き合う、優しげな声色が好印象な配信者様です。(虫系が苦手でない人は、是非、チェックしてみてください。)

そんなおーちゃんさんが、エンディングで使用されていた楽曲がありました。ハイトーンな女性ボーカルの優しい歌声、じんわりと染みる曲と歌詞。何という曲なのかさえ分からないまま、歌詞を頼りに調べてみたところ、Atelier LadyBird(アトリエレディバード)という音楽ユニットが、優莉さんというゲストボーカルを迎えて、制作された曲ということを知りました。

Atelier LadyBirdとは、吉村彰一、川崎泰弘の2名で活動している音楽制作ユニット。2015年05月に結成。ゲストボーカルを迎えて、様々な楽曲を制作するクリエイターコンビです。他の曲も聴いてみましたが、どれもこれも自分好みの素晴らしい作品でした。

今回、紹介する「バルーン」という曲に関してですが、心の変化を風船に例えた楽曲です。言葉がリアルすぎて、全てのフレーズに共感できる素晴らしい歌詞。こういった擬人化とも言うべき発想から、曲のイメージを構築していくスタイルは、昔から大好きな要素でもあります。

膨らんでは萎んだり　空に浮かんでは割れたり
まるで僕の心を愚直に　表しているね

自由気ままに見えて実は　一人では何もできないんだよ
情けなさも兼ねているから　素敵だよ

心の浮き沈みは曖昧で
止まるタイミングなんて十人十色
色んな経験によって　変わってくるよ

八方美人に慣れてしまって
大切な自分を忘れちゃって
求めていることを　素直に言えないんだ

人は生きていれば高揚するし、落ち込むこともあるし、浮き沈みがあるのは当然、いつも前向きでいられないのは仕方ないことです。そんなプラスマイナスの要素を、風船を擬人化することで、鮮明に表現しています。

「膨らんだりしぼんだりする風船は、自分の心のようだ」、「自由人に見えても、一人では生きていけない」、「周りに見せていない、情けない部分は必ずある」、「人生において立ち止まってしまうタイミングは、人それぞれで、経験の数だけパターンがある」、「周りに迎合して、自分らしさを忘れてしまう」、「やりたいこと、言いたいことがあるのに、素直になれない自分がいる」、そういった誰にでも感じたことのある心境。それを歌詞に乗せたメッセージ性こそが、この曲の魅力であると感じました。

押しつぶされそうなとき　砕け散りそうなとき
染み渡るよ奥底まで　満たすんだ愛が

愛で膨らまして　愛で満たされたくて
それ以上のものはこの世界にない
誰にだって持っているもの

愛で養われて　愛で羽ばたけるから
もっともっと　膨らましてよ
その愛によって　僕は高くまで浮かべるから

その愛によって　僕は僕でいられるから

最後は「愛の力で風船を膨らますことで、高く浮かべる」、「自分らしく生きていける」というメッセージで、曲は締めくくられています。前面に出ているギターの音も、軽快でありながら心に染みるピアノの旋律も、優莉さんのハイトーンで優しいボーカルも、この素晴らしい歌詞と共存することで、更に魅力的に感じることが出来ました。

手前味噌ながら、自分もYouTubeでこの楽曲を使用させて頂いております。(『Audiostock』というサイトで、音源と楽曲使用権利を購入すれば、商用動画を含めて、自由に曲を使うことが出来ます。自分も正規の手段で購入しました。)

Atelier LadyBirdというクリエイターユニットの才能を、ものすごくダイレクトに感じました。『BOOTH』などでは楽曲購入出来ますし、『note』ではインストバージョンの音源や楽曲の歌詞が公開されているので、気になった方はチェックしてみてください。