『その悲しみと葛藤が、日々の泡沫に消されてしまう前に。』がキャッチフレーズの2001年生まれのシンガーソングライター、Karin.。「命の使い方」は彼女が高校在学中に作られた楽曲で、理不尽な世の中に対する疑問から生まれた作品ということです。感情の全てを吐き出したような、擦り切れるようなボーカル。その声の表情が心に突き刺さります。リアルな感情を、吐露した作風こそが彼女の持ち味です。
「命の使い方」は、学生時代のいじめがテーマになっています。思春期の葛藤というものは、大なり小なり誰にでもあることだと思いますが、いつの時代も避けて通れないテーマが「いじめ」だと思います。いじめ被害に遭ったことで自殺してしまった子供の命を、『思春期の気の迷い』という理由で終わらせたくない、『命の使い方に正解や不正解など存在しない』という想いが詰まっています。
このMVは米津玄師の「パプリカ」や、テレビ朝日系『報道ステーション』のオープニング映像を手掛けた、映像作家の加藤隆を監督に迎えた作品。実写とアニメーションが、融合された作品に仕上がっています。
生活をしていて理不尽な世の中に疑問を抱く瞬間があります。
まだ十数年しか生きていない少年少女が、
いじめや人間関係、孤独や社会に耐えられなくて
この世界から消えたときに
「思春期だから」という理由で片付けられたくないと思い、
それと同時に人の生き方を可哀想だと思ってしまった人間が
一番可哀想だと思いこの曲を作りました。人生はたった一度しかないからこそ
いろんなことを喜び、学び、失敗し、協力し、
自分と向き合って生きていくんだと思います。“命”ほど尊いものはないです。
『BARKS』Karin.インタビューより引用
この曲は虐められた時の葛藤と心理を、リアルに表現しています。
虐めてる相手を殺す勇気のない自分を責めて、過去の自分に謝罪する。葛藤の原因になっている要因を取り除いて、自分の心を解放してあげられなかった。確かに虐めてる相手を殺せば済む問題ではないのかもしれませんが、追い詰められた時の心境というものは、一般的な感覚では表現出来ないですし、それこそがリアルなのかなとも感じさせられます。
『生きる理由』と『命の使い方』は、ある意味、同じことを示しているのかもしれません。一度しかない人生。やり直しのきかない人生。その部分にこそ、Karin.さんが伝えたかった、真意があるのかもしれません。
時代を切り取ったようなリアルな情景を描けるシンガーソングライター、Karin.さんの活躍に、今後も注目していきたいと思います。
ボーカル:18
メロディ:19
歌詞:20
アレンジ:18
個性:18
TOTAL:93
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Karin. – UNIVERSAL MUSIC JAPAN(所属レコード会社)