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ツユ「泥の分際で私だけの大切を奪おうだなんて」
作詞&作曲&編曲:ぷす

目次

楽曲のレビュー】

歌詞に耳を惹きつけられた作品

今、流行りのネット動画系アーティスト、ツユ。偶然に耳にした今作品の第一印象。歌詞に興味が沸く表現が、多々ありました。まず最初に『泥』という表現に引き込まれました。それというのも、そもそも人を罵る時に、『泥』という表現が使われる前例は、あまりありません。と言いますか、その表現の下りは、自分も生まれて初めて聞きました。もっと汚い言葉を捻りだそうとすれば、他にいくらでもあるはずなのに、敢えて『泥』という単語を使う部分に興味が沸きました。

何故に泥なのかを考えてみました。あくまでも推測ですが、どこにでもある目立たない存在の比喩として、この表現を選んだのではないかなと。きっとこの曲の主人公は、容姿端麗で成績優秀、非の打ちどころがない、素質と才能に優れた人物だったのでしょう。それが傍から見れば、泥のような存在である、どこにでもいるような普通の子に、大切な相手を奪われてしまった。その恨みつらみを込めた言葉が、『泥の分際』という比喩表現に繋がっているのかなと。

サウンド的には、今はやりのデジタルロック。ネット音楽やボカロ系の流れを汲んだ、テンポの良い打ち込み系サウンドを軸に、ピアノやギターの音が、散りばめられていて、音の渦に引き寄せられる感覚に陥ります。プライドの高い主人公の魂の叫びを聞いたような、そんなインパクトを感じさせられました。音と言葉を使って、上手く遊んでいる感じが、このアーティストの魅力のような気がします。今後の作品にも期待したいです。

歌詞を聴きこむうちに、いくつか自分なりの解釈が生まれてきたので、下記にまとめておきます。

【追記】この曲の自己解釈の見解のまとめ

①主人公は女性。好きな相手は男性で、女性を許さないと思っている

一般的な恋愛における嫉妬のパターン。彼氏を他の女性に奪われてしまったという解釈。普通に受け取るとすれば、この考え方が一般的だと思われます。

②主人公は女性。好きな相手は女性で、男性を許さないと思っている

通常の男女の恋愛の曲にも聴こえますが、LGBTが一般的な考え方になった昨今、性別が逆のパターンも考えられます。仮に女性が恋愛対象ではなかったとしても、幼馴染を男に奪われたというようなイメージの解釈も可能です。

③主人公は亡くなった女性。生前付き合ってた彼氏が、他の女性と付き合い始めてしまった

この解釈は歌詞の中にヒントがありました。『泥』というのは、地上にいる存在。自分が空に昇ってしまっている為に、生きている二人を天から見下ろしているという解釈。

「地面の上這って 見上げることしか能がないくせに」 「だって期限付きの生を 有り難がるしか能が無いくせに」この二つのキーワードは、限られた世界でしか生きられない二人に対する皮肉で、人という存在でなくなった自分には、もう関係ないという強がりにも聞こえます。

最後の「未練しか残らないこんな結末を 反逆者として背負ってくんだね」というのは、生前に犯した罪が原因で、自分は亡くなってしまい、残った元彼氏と新しい彼女がくっ付き、自分はあの世で翼を失い地獄に落とされるというイメージ。ここまで大胆な想像する人間は、殆どいないかもしれませんが、この解釈であれば泥』翼』期限付きの生』に対しての説明が付きます。

皆様はどんなイメージを抱いたでしょうか。自分は③のパターンが、一番しっくりと来ましたし、泥の説明が一番明確になるので、この意見を一押しにしたいと思います。色々と考えながら、歌詞を解釈するのは楽しいですね。

【レーダーチャート】

ボーカル:17
メロディ:18
歌詞:19
アレンジ:19
個性:19

TOTAL:92

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コメント一覧

返信2021年7月30日 16:39

サクラ22/

私も似たような経験があります。現在も同じ事を繰り返してます。相手に私が好意を抱いていると思わせているままにしたが故にその隙に寝取られてしまったというパターン。そんな恋愛を繰り返しすっかり歪んでいきました。 優しくしてくれる男性もいますが、タイプじゃありません。人と交流する事が恐怖そのものです。

    返信2021年8月1日 14:23

    まんちゃ21/

    ☆サクラさん コメント、ありがとうございます。 恋愛は言葉に表せない、複雑なものであると思います。 だからこそ自分は、単純に考えるようになりました。 純粋な気持ちをぶつけて、 上手くいく相手が理想なんだろうなと、 何となく思うようになりました。

返信2021年9月20日 20:11

ルカ22/

私は②のタイプですね。 親友に恋をしてしまって、鈍感な相手に気づいてもらえることなく、嫌われたくなくて直接言えなくて、親友に彼氏ができた時は「なんで。あの子の隣は私のものなのに。」って彼氏を恨んだこともありました。 すごく共感できました。

    返信2021年9月21日 06:34

    まんちゃ22/

    ☆ルカさん コメント、ありがとうございます。 身近な存在であるけれども、事情が事情だけに、 なかなか一歩が踏み出せない。 それは仕方ない部分もありますよね。 上手くいくかどうかは別にして、 ちゃんと気持ちだけは伝えることが、 実は大事なのではないかなと考えるようになりました。

返信2021年12月27日 11:41

23/

面白い考察ですね この曲の主人公のモチーフは堕天使ルシファーであると思われます。 泥という呼称は神が泥からアダム(人間)を作ったという、聖書からの引用だろうと思われます。 神に最も愛された大天使ルシファーは、自分より後に泥から作られたアダムが、完璧に作られ人間よりも優れている自分よりも神に愛されていることに嫉妬しました。また、神を超えられると思い上がり、神に反逆しました。結果、傲慢の大罪で悪魔に落とされました。 この話をモチーフにしていると考えられます。

    返信2022年1月16日 23:58

    まんちゃ22/

    ☆泥さん コメント、ありがとうございます。 聖書のお話は、全く存じていなかったので、 大変、勉強になりました。 詳しく説明して頂いて、ありがとうございます。 自分の考察は、詞の内容から受けた印象を、 そのまま表現してみました。 歌詞に関しては、色々と推測できる内容だと、 惹きつけられてしまって、面白いと思います。

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