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スキマスイッチ「さいごのひ」
作詞&作曲:大橋卓弥・常田真太郎/編曲:スキマスイッチ

東日本大震災が起きてから、一ヶ月が経とうとしています。あの惨劇以来、毎日考えるようになったことが、ひとつだけあるんですよね。それは自分自身の最後の日のこと。命を持って生まれたということは、いつかは命の火が消えるということですよね。別にこれは、特別なことではありません。どんな立場の人間、いや生物であれば、その時期が早いか遅いかの違いだけで、誰しもが避けることの出来ない宿命です。いくら目を背けていても、最後の日は必ず訪れるわけです。

今回、紹介するのは、愛と命の輝きを歌いきった壮大な楽曲、スキマスイッチ「さいごのひ」です。この曲は何も知らない人間が聞く限り、大震災の時期がタイムリーに重なった為、東日本大震災からインスピレーションを得て、制作された楽曲と考えられがちですが、実はこの作品の発売日の方が早く、震災前の2011年01月に既にリリースされていた楽曲なんですよね。初めて聴いてた時には、背筋がゾクッとしたことを思い出します。

恋愛以外にも愛情の形というのは、いくつもありますが、この曲は聴く人の環境によって、様々なシチュエーションで浸ることが出来ます。家族はもちろん、恋人でも友人でも構いません。大事な人を思い描いて聴くと、違って聴こえてくるから不思議なものです。

常田:愛ってなんだろう?みたいなことを考えていったときに、僕はやっぱり”死にたくないな”って思うんですよ。すげえ幸せな瞬間があったときも、やっぱり”死にたくない”って思うし。もしかしたら”これが味わえたら、死んでもいい”って思う人もいるかもしれないけど、僕は逆なんですよね。

大橋:いろんな意味に取れるのもいいなって思うんですよ。曲を聴き返すごとにタイトルの意味合いも変わってくるかもしれないし、”何で平仮名なんだろう?”って考える人もいるんじゃないかなって。すごくストレートで味がある、いいタイトルだと思いますね。

FanplusMusic インタビューより引用

スキマスイッチの代表的バラードナンバーには、「奏(かなで)」「ボクノート」などの作品がありますが、過去の名曲と比べても、遜色のない作品です。そしてタイトルをあえてひらがなにしたのは、トリプルミーニング的な意味合いがあって、『最後の火』『最後の日』『最後の陽』、どの意味としても解釈出来るようにしたからではないかなと。(MVの作中にも常田さんがローソクの火を手で覆うシーン、大橋さんが太陽の光に手をかざすシーンが出てきます。)あくまでも自分の推測に過ぎませんが、歌詞の捉え方は人それぞれ違ってしかるべきなので、そんな風に想像しながら曲を聴くのもまた醍醐味です。

先週末から鳴らない電話
持ち主が一人減ったテーブル

つけっぱなしのテレビはまた
子供が犠牲になったという
さいごのひが消える時に人は
いったい何色の世界を見て 誰を想うの?

スローなテンポであるが故に、歌詞が深く心に突き刺さります。表現力に裏打ちされた名曲。歌詞の意味ををかみしめながら、じっくりと聴いてみてください。

※2011年04月08日(金)公開の記事に、加筆修正致しました。

【レーダーチャート】

ボーカル:18
メロディ:19
歌詞:19
アレンジ:19
個性:18

TOTAL:93

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