擦り切れるようなボーカル、そして儚さと憂いを含んだ歌詞、淡々としたアレンジ、オルタナ系スリーピースバンドの新作。スペースシャワーTVの2011年01月度『POWER PUSH』。オリコン週間セールスチャートで最高位16位を記録。
plenty(プレンティ)は、日本のスリーピース・ロックバンド。2004年、茨城県にて結成。バンド名の由来は千葉県銚子市にある「プれンティ&プレン亭」というパフェ店の名前が由来になります。2017年09月16日の日比谷野外大音楽堂公演“plenty ラストライブ「拝啓。皆さま」”をもって解散しました。
けだるく子供っぽい甘い歌声は、好き嫌いが分かれるところかもしれませんが、じわじわと浸みこんでくるような感覚にやられました。この曲のタイトルでもあり、テーマにもなっている、「人との距離のはかりかた」というものは、他者と関わらずに生きていくことは難しく、実は生きとし生けるものにとって、避けられないテーマだと思います。
誰もが経験のあることだとは思いますが、人と対面したときの距離間って、非常に難しいものだと思うのです。歌詞の中のフレーズにもありますが、相手の為についた嘘であると自分に言い聞かせても、結局は自分が得をする為の嘘であったり、そんなつもりではなくても、何気ない言葉で相手を傷つけてしまっていたり、そういった紆余曲折の果てに、人間関係が成り立ってるといっても過言ではありません。
ただ最後のフレーズ。この言葉に全て救われたような気がしますね。
人との距離のはかりかた 僕自身イマイチわかってないけど 君とはずっと はからなくていい距離を みつけたいんだよな そう思うんだよ 信じたいんだよ 寄り添いたいんだよ 僕の声が 届くといいな
距離を計らなくても、自然と通じ合える相手。そんな人間と巡り合いたくて、僕らは人生という名の旅をしているのかもしれません。plentyというバンドの曲は、シンプルな中にも、芯の強さが感じられて、最後まで聴きいってしまいますね。
※2011年04月09日(土)公開の記事に、加筆修正致しました。
ボーカル:17
メロディ:19
歌詞:20
アレンジ:18
個性:18
TOTAL:92