最近、月額定額料金(サブスクリプション)で、音楽が聴き放題の配信サービスが増えています。アメリカでは一般的になりましたが、日本はまだまだ途上の段階です。なぜならば大手アーティストサイドが、「定額で聴き放題されたら利益が出ないのではないか?」という不安から、配信には消極的な一面があるからです。そんな中、サザンオールスターズ、Mr.Children、松任谷由実と言った大御所も参加を表明。いよいよ日本も、定額配信サービスのスタートラインに立ったと言えるのではないでしょうか。
ここからは、お薦めの音楽配信サービスの紹介…と言いたいところなのですが、今回の音楽談話では、オーディエンス側ではなく、ミュージシャン側の立場から見て、お得な配信サービス。「1再生あたりより利益が出るのはどのサービスなのか?」、「どのサービスで再生回数が伸びれば、ミュージシャンサイドがより潤うことが可能なのか?」、「ファンはどのサイトを利用して再生すれば、多く課金したことになるのか?」。それをここで紹介したいと思います。
まず結論を言うと、1番安いのがSpotify、1番高いのがレコチョク、という調査結果になりました。アーティスト側の利用者に対しても、正確な計算式は提示されていない為、実際に契約している権利者の実利益の話を取りまとめた数字にはなりますが、大まかには合っていると思います。サンプルとなる数値は、調査時期などがバラバラなので、2021年現在はどの数値に近いのか分かりかねますが、自分が集めた情報を元に統合、平均値をまとめた表を作成してみました。
2015年-2016円 | 2017年-2018年 | 2019年 | 2020年-現在 | |
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RecMusic(レコチョク) | 8.2円 | 3.73円 | ||
Amazon Music Unlimited | 1.2円 | |||
LINE MUSIC | 1円 | 1円 | ||
AWA | 0.7円 | |||
YouTube Music (旧 Google Play Music) | 0.7円 | 1.12円 | ||
Apple Music | 0.66円 | 1.2円 | 0.93円 | 0.88円 |
Spotify | 0.15円 | 0.4円 | 0.19円 | 0.27円 |
Amazon Prime Music | 0.2円 |
この収益は印税などは考慮しない状態で、楽曲の権利者に対して、実際に1再生あたり振り込まれる金額の平均値です。レコード会社に所属しているアーティストの取り分や作詞&作曲印税に関しては、更にここから分配された金額が支払われると思います。ネット上で数字を公開していたミュージシャンやレコード会社、出版社など、約10件のデータを統合して割り出した数値ではありますが、母体サンプル数が少ない為、どこまで正確な数値に近づけたか分かりません。ただ一つだけ断言出来るとすれば、平均するとSpotifyが一番安く、レコチョクが一番高いということになるはずです。他のサービスは、大体1再生1円弱~1円強くらいで見ておけば良いのかもしれません。この数字が、今後、サブスクで音楽配信してみようというミュージシャンの参考値になるかもしれませんね。